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  • 2016.05.06 Friday
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お引越し

JUGEMのエディタが愈々死に絶えるレベルの書きにくさなので、お引越ししようかなと思います。(コメント頂いた矢先ですみません……うっ)
WordPress
↑こちらにお引越しします。コメント頂けて凄く嬉しかったので、CLAMP作品関連の記事は向こうに持って行こうと思います……支部にもあるけど、まあ支部って一応会員制SNSだし。
このブログも跡地的に半永久的に残りますので、もし私の中学二年生的なアレをここ掘れわんわんしたかったらお気軽に(!?)どうぞ(笑)最近亀亀しい更新ですが、これからも宜しくお願い致します。
 

遙か2やってます

 こんにちはほしなみです。漸く我が家にも遅まきながら夏が来ました(仙台はもう秋の気候ですけども!!!)。夏と言えば、そう遙かです。遙か2を絶賛ぽちぽちプレイ中です。
 今の処翡翠・幸鷹・アクラムという「え……ど、どうした???」みたいな三人のEDを見ました。翡翠氏が大変好みだった所為で、他のキャラを攻略する気がめっきり失せて居ますが嬉しい誤算です。翡翠氏最高です。
 遙か2と言えば、ファンの間では「初代と3に挟まれてイマイチ何かこう……別に悪くは無いんだけど……」みたいな扱いをされる事が多い訳反面、物凄い愛情を迸らせるコアなファンが居る事でも知られますが、ねえ、コアなファンの気持ちが凄い分かる……分かるよ……!!!って感じです個人的に。
 翡翠氏が第三、第四イベントで人生についてあれこれ語る訳ですけど、あの恋愛そっちのけの内省が私は大好きでした。「人間は舟」とか「誰かを好きになるっていうのは自分の舟を捨てて相手の舟に乗り込む事なのか」とかっていう問いの立て方最高でした。しかもそんな事言いつつ「〜申し上げる」とか撥音便徹底的に排除して来るとか相当言葉遣いが素晴らしくて、最早こんなに自分好みのキャラがフルオーダーでもないのにぽんと出て来る事が信じらんねえ……ぬおおおお……
 にしても心のかけらは一体どうしたの???って感じなので(取り戻すもののはずなのに、抱いたのは恋心だった的なアレなんだろうけども)微笑ましくもあり。
 いやー……何かこの「私の想定を大幅に上回る隙の無い萌えポイント」っていう点では『陰陽師』の晴明とか百鬼夜行シリーズの中禅寺明彦とかを彷彿とさせました。

 幸鷹は普通にネオロマだった。エピソードをイマイチ生かしきれてない感じは2の評価の理由を察する感じでもあったけども。あとやっぱ3までの中原茂の使い方色々と酷いっていうか、合ってないっていうか……ま、まあ良いか……
 アクラムは……wwwwwwwwwいや、ラスボス直前でひっどいスチル入るとかそういう事はまあ措くとしても、流石に雑すぎだろう!って感じがした。一枚目のスチルのイベントは良かったけども。兎に角シナリオに於ける彼の扱い酷過ぎるのでもう少しかっこいい人としての扱いしたげてw

 という訳で、これからもう暫しやってみますー……うーん失速しそう……

Σさんと新しい試みを始めました

 お久し振りと言いあきましたほしなみです。

 実は、相棒のΣさんと新しい試みを始めました。その名も、『花とゆめ』定点観測。

 私達二人は大層白泉社の少女漫画が大好きなのですが、最近白泉社が路線変更なのか堕落なのか知りませんけど、どうにもイマイチな作品ばかり送り出して居るなあと感じられる。その事から、じゃあいっちょ古今東西の白泉社少女漫画をレビューするブログを作りましょうか!という事になりました。サイドスペースにも貼っておきますが、こちら
宜しくお願いしま〜す!

とうらぶしたりユリ熊嵐見ながら、愛情とヤンデレについて考えた事。

 こんにちは、ほしなみです。最近刀をかーんかーんかーんしてます。知ってる!!!それと、『ユリ熊嵐』見てます。もうすぐ終わるけども……。
 さて、ご存知かと思いますが、最近私はとうらぶの長谷部を「ヤンデレ予備軍」と言って、早くヤンデレにならんかねならんかね、と言ってたんですが(その後軽傷ボイスで何か違う方向に美味しく狂ってはくれたんですが)、自分でも何故「ヤンデレ」ではなく「ヤンデレ予備軍」と感じたのか良く分かんなくて、ちょと自分内ヤンデレ定義を更新すべきかね!と思って、こちゃこちゃまとめたものを上げますー。その序でに、イクニ監督作品とCLAMP作品の愛情の違いについても、ふと考えたのでまとめておきますね!どちらも長いので、記事の続きの方に愛情の違いについての考察を置いておきます。分けて読んでね!!!
 あと、本当にブログ引っ越ししたい。ジュゲムさんさ、最近「記事の続き」機能使うと、フォントが明朝に統一されないんですよ……読み難いよこれ……。Tumblrは「記事の続き」機能を使う為にタグいじらないといけないみたいでもやもやする(上に、何か上手くいかない)し……。TL的なものがある所為で長文は他人様に迷惑かけるし……。ぐぬぬ……。
 Tumblr、折り畳み機能マスターしました。ただ、長文書くとなるとどうしても動きが鈍くなるので、徐々に移行しようかな……と。うーん世の中ままならぬ……。実際名刺とかにはこちらを本拠地指定してしまってるので……。



 さて。私(とΣさん)は今迄、ヤンデレってどういう属性か?について、「優先順位がおかしくなっちゃってる人」という様な簡単な定義をして参りました。その言葉の中には、次の様な積極的特徴が含意されて居るかと思います。
・他律原理主義的(他律こそ最重要!みたいな)
・行動・思考の優先順位の改竄(これは自分がやりたくてやってんじゃない!という部分と、意図的な部分と両方あるとは思うけど)
・上記に幸福や充足感の可能性を見出す(或る種の自傷肯定的な行動スタイル)
cf)皇昴流(『東京BABYLON』『X』)、常・直(『東亰異聞』)等

 で、もし上記だけがヤンデレの特徴だと考えるなら、長谷部は完全該当者なんですよね。一応論拠を上げておきますと、
・やたら主命や主に拘る
・自分の意に染まない事でも主命なら遂行する
・自分の意志を軽んじる(演練開始時の台詞とか)
・主命に肯う事がアイデンティティの一角を成して居る
 にも拘わらず、私は「うーん何か健康的なんだよね長谷部ね!!!」という意識を拭えずに居たんです。で、考えてみると、次の様な消極的特徴も必要なんじゃないかなと。
・自分の思考や行動が道徳や道義に反して居る事への罪悪感
・病的である自覚と諦観
・自分がそういうスタンスである事が誰かを悲しませる可能性を有しているという認識(悲しませる事に躊躇いが無くても可)
 上記の特徴を持つ事で、そのキャラは二律背反に苦しむというか、自己矛盾を抱え続ける状態になり、その不安定さが決定的な破局や不幸を呼び寄せるんだと思うんですよね(ストーリー進行的に)。それが長谷部には存在しない部分だろうなあと……。

 あと、これは実際的にはヤンデレ形成に致命的な一打を加える要素ではないなと考えるけども個人的に好みじゃない点として、長谷部って前の主(織田信長)の悪口ばんばん言うんですよね。それは囚われてるっちゃ囚われてるけど、単なる不満とトラウマ形成に対する異議申し立てであって、何と言うか、信長を客観視しようとするフェーズへの移行を感じるんですよ。全的な肯定(恭順)→全的な否定(反抗)→客観的な視座の獲得(依存からの脱却)という順序を考えるなら、長谷部は既に自力で二番目のステップまで来てて、それって別に放っておいても自分で信長を客観視する様な成長を遂げるだろうなあという感触をユーザーに抱かせる感じがします。そこまで考えてキャラを見るユーザーがとうらぶキャラを考察するかどうかは勿論疑問ではあるけども……。

 ただ、最近追加された軽傷台詞で、寧ろ彼の戦闘狂っぽい面が強化されたので、違った方向に病んでる可能性が寧ろ強まった気もします。それはそれで美味しいです。彼にとっての歴史修正主義者という存在は、主や主に付帯する色んなもの(2205年という時代とか、他の刀剣とか、歴史修正を止めようとする思想とか)を否定してかかって来る存在であり、自分が彼等の刃に傷付けられるって事と、主や主へ帰属する概念が破壊されんとする事が等号で結ばれてるのかな……という電波を受信しました。文章下手ですみませんね……。軽傷の時の「だから?」っていうのは、それがどうしたって意味な訳で、それは「そんなんじゃ壊せない(主に帰属する色んなものを)」という事……であって、彼は彼自身が大切なのではない……だろうと。それがどうした、なのは主が強いからであって自分が強いからじゃない!という宣言として受け取ると(私は)美味しいです!!!補完万歳!!
 彼は彼自身の事を大切にはしてないけれども、それ程に主が大切、という様な描写もやっぱり不徹底に感じる。どっちも中途半端って事は絶対的な悲劇には繋がり得ない訳で、例えるなら『xxxHolic』の中盤の四月一日みたいな成長途中のキャラ……。主への心酔描写(これは主が大切っていうのとは別物。どれだけ他律かって事を表したい)もイマイチなので、全的献身と心服を有する病んだアガペー持ちみたいなキャラ方向でも無い……。
 ので、長谷部ってヤンデレというより、もっと積極的に噛みついて来る感じの病みなんですよね。主を肯定する方法が、そのまま敵をねじ伏せる事なんですよね、きっと彼にとっては。彼が病んでるとすれば、それは「他者を殺し続けないと大切なものを肯定できない」というところや「斬り伏せる事自体を疑わない(何故ならそれは肯定するという心の作用だから)」というところであって、それはヤンデレの様な、自分を変えてしまった決定的過去の軛から逃れられない、という様な病とは別種だなあと感じます。
 信長について未練と文句たらたらなのも、自分が信長にとっての敵を滅する役割から途中で降ろされた、という出来事があるからであって、信長を慕って居たから……とかとは違うなあと。主の人格、愛情、といったものは多分どうでも良くて、自分を使って呉れなかったから不満、自分のアイデンティティを無碍にされたショック……が許せないのかしらと(自分と信長が何処かで対等な自覚があったからこそ、自分で信長に対する客観的な視座を獲得しつつあるのかな)。
 我ながら、凄い良心的にキャラを見てるよ!!!正直これだけ理屈で補完しないと人格統合して見えない程、行き当たりばったりなキャラ造形をしてるなあって思うよ!!!


 続きにイクニ作品とCLAMP作品の愛情に就いて、もうちょい真面目な考察をば。
 
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あかーん

 あかーんいかーんてとらかーん
 長谷部さんが薔薇窓見て信仰無いのに信仰心試されるけど審神者に帰って来る……みたいな小説書こうとしたんだけど、何かあんまりメンタルぼろぼろの長谷部さんになってくれなかったので飽きてほっぽってます。ぽぽー。
 誰か私の為にヤンデレ長谷部さん書いてよ……或いは花ゆめに出て来そうなさじ加減の、主大好きだけどひた隠しにしてる感じのクーデレ長谷部さん書いてよ……どっちかしか僕には需要が無いのに、どっちもほぼ世の中に存在しないよ……

 とうらぶという沼に素直にどっぷり浸かれたらなあ……嬉しいん……ですけども……うーん。久し振りに支部とかにこにことか巡回して、そっか流行の移り変わりって早いね……浦島虎徹ならぬ浦島太郎だわ……はは……ってなってます。
 今年度の予定ですが、今骨折中でド暇につきこの更新速度で飛ばしてるんですが、また多分潜る……気がします……ぶくぶく……。
 10月のTextRevolution(てきれぼ)に参加予定だけど、予定は未定です。書きたいけど書けるのか……。
 銀河鉄道の夜を再読してるけど、指の間から印象が滑りぬけて行って、何度読んでも思い出せません。宮沢賢治の作品全体に言える事だけれども。

 あ、あと清水玲子の『輝夜姫』をちゃんと購入して全巻通して読みました。以前読んだのは立ち読みだったので、印象ちょと変わったな……。前は清水玲子の社会派な作風が鼻についてイマイチだなあと思ったのですが(多分『秘密』と並行して読んだからだと思う)今回読んでみると殊の外SFしてて宜しかったです。その前に樹なつみの『OZ』、『獣王星』を読んで居たので、白泉社SF少女漫画の文法が分かって来てたのかもね……。あ『月の子MoonChild』も読みました。こちらはもっとのんびりした話でしたけど、良い作品だった……。個人的には『輝夜姫』が好きです。ていうか、ラストがね。ラストだよ全ては。絶望と悲しみに打ちひしがれる醜き地下人としてのミラー!!美味しい!!!!
 この一年間割と白泉社の90年代の漫画を読んだのですが、全然感想とか何処にも書いて無くて、ホント忙しは〜罪〜って感じでバンコランさん素晴らしい美少年キラーですありがとうございます(違)

 という訳で、星槎渡河は今年もまったりペースで形而上ファンタジーを出版したいサークルとして頑張って参りますー。ほしなみ個人としては……そうね……生きる……。

美しいものへ、美しいものを

長谷部さんきもい!!!(褒め言葉)
みたいな小説。長い。謡曲『弱法師』ネタがばんばん出るので、何かもう読み物としてちゃんと成立してない感じする。
テストでTumblrに投稿してみたんだけど、TLがとんでもなく侵食されてやっぱすごい申し訳なかった
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ブログ引っ越したい……

何かこう、心機一転とかそういうかっちょいい理由がある訳でなくですね。
単純に、JUGEMさんのエディタがOperaで使えなくなりまして……。うーんカット&ペーストが出来ないのは地味に辛い……引用とか……。
タンブラーも考えたんですが、タンブラーはタンブラーで、改行がめんどくて(noteもそうですが)。あと、長文書くのに向いてないのよね……。
ちょと考えます。これ、このままほっとくとどんどん対応されずに状況悪化しそうだし……。しかしnoteは個人的には二度と使いたくねえ!って感じなので、タンブラーかしら…うぬぬ……。

忘却の河の向こう

とうらぶ。審神者も長谷部も病んでる。似た者同士。あと何か、手心加えた。長谷部が割と大人。一応審神者は女の子。CP要素無い……と思うけど、見る人が見ればそう見えるかもしれぬ。支部にも上げときます。
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記事を書く度に久しぶりなので、久しぶりを省略する人生になりたい

 こんにちは。最近刀剣なゲームを始めたほしなみです。お久し振りです。久し振りであるという概念の省略を求めるっ!
 ここ六年程、根本的にサブカル的な萌えの不足が深刻だったので、久方ぶりの流行ジャンルという名のオアシスに浸って居ます……と言いたいところなのですが、遺跡から発掘した一匙の甘露を探す生活だったせいで、オアシスという名の都会の地下を流れる萌えの水道水が身体に合いません……。濾過施設を建設中です……。長谷部さんがヤンデレ予備軍に見えるという天啓を得たので、どういう風に妄想補完すれば彼はヤンデレへと闇堕ちしてくれるか考え中です。いやー楽しいなー。

 それはそうと、一か月ほど前に左足の中指と薬指の骨を折りまして。春休み丸々療養生活中です。大学生活色々突っ走って来たので、休めて嬉しいです。萌えの感覚とかもリハビリ出来つつありますしね!ヤンデレ下さい!!

 本来なら長谷部ヤンデレ闇堕ち小説をちゃちゃっと書いて支部に上げるのが筋なのですが、久しぶりすぎて昴流以外のヤンデレへの脳味噌の錆びつきが深刻なので、少し整理してみようかなって思いまして。というのもさ、ほら、巷に溢れる「ヤンデレ注意」にほいほいされて(最近流石にほいほいされない様にはなって来てるのですが、それでも飢えが深刻だとやっぱりね)ぱかっと蓋を開けると、これじゃねーよ!!ってなる事が多くてね、うん。
 ヤンデレの定義については、このブログでも若い頃(敢えてそう言わせて頂く)から色々考えて来ていたのですが、Σさんと様々に話し合った結果、今のところ三種類程に分類できると考えて居ます。
1.君を殺したいほど大好き系
2.君に危害を加える者は皆殺す系(或いは危害を加えなくても、二人だけの世界が欲しいんだ系)
3.君が高潔で在り続ける為なら喜んで自分は死にます系
 はい!!これだよ!!!!私が欲しいのは3だよ!!!でも世の中のヤンデレの中で一番少ないのも3だよ!!!ちなみにCLAMPの大川さんが作品中で否定するのも3です!!!!拷問だっ!!!(このテンション、何か久々に若い)
 より細かく分けるならば、3にも色々ありまして(1と2は私の考察の範疇に無いので、すみませんさらっと流しますね)、ほいほいと自分の命を軽んじて自殺するキャラも居れば君だけに殺されたい系も居るし、心中希望な案外対等目線なキャラも居るし。そこらへんは一概に、私はこれが好み!とは言えないですが、でも3が好みなのは間違い無いのですよ。
 でね、とうらぶやっててね、私のサードアイなるものがくわっ!と開いて、長谷部さんは3予備軍!という、唐突な天からの啓示を頂いたので(実際主君への感情を拗らせに拗らせて大変美味ではある)、この拗らせ青年をどう調理しましょうかねぇって思って居る処なのでした。
 BLには今の処食指が動かんので、そうなるとサブカルのお約束としては審神者をキャラ付けしなくちゃならんのかな……と色々考えてるんだけど、そもそもとうらぶ自体にはあんまり愛が無いせいで、何か……もやもやしてます……。神林長平の『戦闘妖精雪風』の世界観みたいな感じなら上手くいく?とか思って色々考えてるけど……何故俺はこれを考えてるんだよっって位にはゲーム自体への情熱が少ないです……長谷部にはまああるけど(ヤンデレへのワインディングロードが)。

 こうして考えると、単純にほしなみはヤンデレ欲しいだけなんじゃないって感じですが、最早その通りなので早く小説書きますねーはいはいー。ではでは。書き上げたらここにも投下しようかと思いまする。

優しさの夢を見る

 彼は、優しさの夢を見た。微睡みの中、優しさそのものを夢に見た。
 これは喩えではない。彼は本当に、優しさ自体を夢に見たのだ。
 彼は夢の中で、それを外から見た。心は冷えて居た。優しさの全てを知り、全てを理解し、全てを何処かで見下して居た。
 彼は、己の人生でそれまで受けた全ての優しさが、死んで固まり、己から失われた事を知って居た。そしてそれを誇りに思った。冷酷さは、彼にとって愉悦だった。勝者の証だった。そしてその悦びも勝利も、どれほど吟味しても、全く主観的ではない、正しい、間違いない、公平なものとして、彼に与えられたものだった。寂しさは無かった。不安も、後悔も、怖れも、愛惜も無かった。優しさは彼の中で、卑俗な悪か、若しくは道化だった。
 彼は物体としての優しさを視認出来て居たから、ふと冷酷で残虐な心から思った。この物体を切り裂いて、中を見てやろう。優しさそのものの中身、物理的な意味での中身なんて、誰も知らないに違いない。人類史上初めて腑分けをする者になったつもりで、彼は嬉々としてその思い付きを実行した。彼は手に鋭利なナイフを持って居た。正義の刃だった。客観という天から下された、何よりも誰よりも正しい一太刀だ。誰もが正しいと思う銀色だ。
 優しさに刃が触れると、意外な程すっぱりと切れた。頭上へ振りかぶり、下方へと切り下した感覚は、滑らかという言葉そのものだった。切り口からは、真っ赤な液体がどくどくと流れ出た。彼は切り口に手をかけると、左右に押し開いた。液体はとめどなく流れ、中で蠕動する臓器の様なものの動きに合わせて、溢れては彼の足元を汚した。
 臓器の様なものは、奇妙な外見をしていた。優しさから溢れ出た液体は真っ赤であるのに、臓器の様なものは真っ青だった。空の色、海の色、それでもまだ足りない程の、濃い青だった。柔らかい臓器そっくりの質感に触るとひんやりとして居て、熱を帯びた赤い液体とは対照的だった。彼はそれらの臓器をも押し退け、優しさの中心を探そうと試みた。優しさはもがく事も無く、ただひっそりと其処に存在して彼の動きを受け容れる儘になって居る。
 青い臓器を右に退かし左に退かし、腕を突っ込んではかき回していると、ふと硬いものに突き当たった。ひんやりとして、硬く、つるつるとしている。思い切って引き抜こうとしたものの、頑として動かない。彼は苛立って、臓器を何個か鋭いナイフで切り落とすと、その硬いものをじっくり眺めようと、空いたスペースに残りの臓器も寄せた。
 その硬い物は、鈍い色の金属で出来て居た。それが鉄なのか、アルミニウムなのか、銅なのか、はたまた白金なのか、それは分からなかったし、恐らくどれでもないだろうと思われた。あからさまにハートの形をして、中でしゅわしゅわと音を立てて居た。鼓動がするかと思ったら、まったく違う音を出して居る事が彼には意外だった。上下左右をくまなく見ようとしたが、金属のハートは、何処とも繋がって居ないにも拘わらず、頑としてその位置から動かなかった。彼は優しさと言う、彼にとっては小さな存在が彼の思う通りにならないのが我慢ならなかった。ハートに刃を突き立て、中のしゅわしゅわと音を立てるもの諸共、外に引きずり出してやろうと考えた。優しさが死ぬのかどうか彼には分からなかったが、どうでも良い事だった。
 ナイフを逆手に持ち、しっかとハートを刺し通す様に押し込んだ。最初、刃は貫通したかの様に見えた。しかし、刃はそのままずぶずぶと呑み込まれ、彼が慌てて手を放すと、遂にはハートの中に丸ごと入り、一体化してしまった。
 彼は驚きと怒りとで、ハートを思い切り叩いた。鈍い音が鳴った。中でしゅわしゅわ、という音が激しくなった。臓器の蠕動が、呻く様な音を出した。赤い液体が先程切り裂いた時よりも余程多く溢れ出る。彼は奇異に思い、もっと内部を良く見ようと切り口の一番下の部分に右膝を載せた。
 その時だった。彼を内部へとくるみ込む様に、切り口が収縮し始めた。彼はぎょっとして、慌てて脱出しようと試みた。しかし収縮は非常に早く、また赤い液体が物凄い勢いで外に向かって溢れた為、切り口と彼の間に水幕が出来て、阻まれてしまった。
 彼は初めて、優しさというものに恐怖を感じた。優しさなのに恐怖を覚えさせるとは何事だ、と彼は何処か超然とした不満を覚えながら、しかし同時に酷く焦っても居た。このまま優しさの中で窒息死してしまうのは、恐ろしい事に違いなかった。
 臓器が物凄い勢いで蠕動する。天井の様な薄い膜から、赤い液体が滴り落ちる。それは彼の足元にどんどんと溜まっていく。酷く温かかった。青い臓器に触れると、火照りを収めてくれる様な心地よい冷たさだった。金属のハートは、しゅわしゅわではなく、ごぽごぽと音を立てて居た。彼は不快に違いないのに、此処が故郷の様な気がして来た。彼の衣服は、真っ赤になって居た。彼の目は最早、赤と青しか識別できず、触角は温かいか冷たいかだけしか分からなかった。
 彼は、いつしか長い時を優しさの中で過ごして居た。温かさに擦り寄り、冷たさに甘えた。そして、ハートは依然としてごぽごぽと音を立てた。
 彼はもう、正しさが分からなくなっていた。思い出す事も無くなっていた。彼はただ、誰の事も抱き締められないのが寂しかった。嘗てその様な存在が居た気がして、その事が辛く悲しかった。その存在を惜しんで已まなかった。
 大切な誰かを抱き締めて眠るという想像を、彼は精密に描き出した。自分の力加減、寝る向き、かける言葉、全て選び抜いた。でも、その大切な誰かについては何も想像出来なかったし、どんな存在なのかも分からなかった。その事が、彼を時折絶望へと誘った。
 或る時、彼はハートのごぽごぽという音が止んだのに気付いた。酷く不安な気持ちがした。何かが壊れてしまう様な気がした。手探りでハートを見つけると、そっと撫でた。金属だった筈なのに、柔らかかった。もっと良く見ようと近寄ると、頑として動かない筈なのに、向こうから近寄って来た。上下に手を翳すと、宙に浮いて居る筈なのに、彼と同じ床に座って居た。
 彼は、それが待ち人だとその時気付いた。しかし選び抜かれた力加減も、寝る向きも、かける言葉もこんがらがって、忘れてしまって居た。彼はもう、何も分からなかった。大切な存在に出会っても、不安も辛さも悲しみも消えなかった。だが、ハートだった大切な存在は、彼の想像よりもずっと上手に抱き締め、寝転がり、言葉をかけてくれた。その事が、彼を救った。
 彼はそっと目を閉じた。目を閉じても、景色は変わらなかった。もう目は見えなかった。強く抱き締めた。だが、腕の中で身じろぎもしなかった。彼の触覚は死んで居た。だが、幸せだった。

 彼は目が醒めた。優しさの中に飲み込まれる幸福を、彼は思い出せなかった。だが、救われた夢だった事だけを覚えて居た。

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